ハロウィンにトリック・オア・トリートをしますか?

パシフィック・アドバイザリー・サービス
代表取締役社長
武本 粧紀子

もうすぐハロウィーンですね。

私がアメリカに来た、1990年代には日本ではハロウィーンは何もやっていませんでした。アメリカ人の友達によると、彼女が小学生でイギリスに住んでいた1980年代には、イギリスでもハロウィーンは何もやっておらず、ハロウィーンの日にアメリカから来た彼女と兄弟姉妹がコスチュームを着て、近所の家にアメリカの習慣である「トリック・オア・トリート」(Trick or Treat - お菓子をくれないといたずらしちゃうぞ)をしに行ったところ、「何が欲しいの?クッキー?」とか聞かれ、変な目で見られたそうです。

アメリカでは、ハロウィーンの日の夜に、子供たちが近所の家を周り、「トリック・オア・トリート」と言ってチョコレートをもらう習慣があるのです。

時は流れ、この習慣こそありませんが、近年は日本でも、ヨーロッパでもハロウィーンにコスチュームを着たり、パーティーをしたりすることが一般的になってきているようですね。

1990年代、ハロウィーンのことを何も知らない私に、「コスチュームを着る」「ハロウィーン(Halloween)からホラー(horror)が想像できるので、ホラー映画を見たり、人を怖がらせたりする」「子供たちはコスチュームを着て、近所を周り、チョコレートを貰う」などの習慣がアメリカではあるということを友達は教えてくれました。

アメリカのハロウィーンの習慣は、「All Hallows Eve」(オール・ハロウズ・イブ)ということばから来ています。これは、11月1日のキリストの「万聖節」という祝日の前日、という意味です。2000年以上も前に、古代ケルト人たちは、収穫が終わり、冬がくる節目として、10月31日に祭事をしていました。死者の霊が収穫物を荒らさないように、お化けや悪魔の扮装をして、死者の霊を追っ払っていました。その習慣をケルト系の移民(アイルランドやイギリス)が1840年代アメリカに持ち込んだ、と考えられています。(参考文献:”History of Halloween”, World History Encyclopedia, by Joshua J. Mark, October 21, 2014)

ジャック・オー・ランタン(Jack-O-Lantern)と呼ばれるかぼちゃをくりぬいて、中にろうそくをともす飾り、蜘蛛の巣、黒い猫、魔女などの装飾は、人を怖がらせるためにアメリカで始まった装飾です。

コスチュームにおいては、現在ではもう人を怖がらせるようなコスチュームだけではなく、お姫様、アニメのヒーロー、動物などに扮する人達がたくさんいます

ところで、ハロウィーンの日はアメリカでも祝祭日ではありません。普通に仕事をしたり、学校に行ったりする日です。職場でコスチュームを着る、ハロウィーン・パーティーをする、などについて、やはり経営者は注意しなくてはいけないこともあります。

装飾は、クリスマス・ツリーなどの飾りつけと同じで、あくまでもビジネスの場としてふさわしいぐらいにとどめておくことが無難です。

服装も、ハロウィーンのネックレスやブレスレットをすることは問題ありませんが、あくまでも仕事場にふさわしい恰好をすることを明記しておくことが必要です。

ハロウィンは、人を怖がらせる時、いたずら(Trick)をする時、と考え、職場でたわいのないいたずらをする人も中にはいます。ただ、された方がハロウィンのトリックと考えず、いやがらせを受けた、と考えるかもしれません。雇用主としては、従業員に子供のようないたずらをするな、とドレスコードと同様、明記しておくと良いかもしれません。

昼休みでも、仕事が終わってからでも、会社のパーティーとして、ハロウィーン・パーティーをやる場合には、特にコスチュームに関してはドレスコードをつくることをお勧めします。

人種差別につながるようなコスチューム(例えば、アメリカ原住民を思わせるような恰好)、露出度が高いコスチューム(セクハラになる可能性)を避けることはもちろんですが、スポーツチームのユニフォームなども要注意です。自分が応援しているスポーツチームと異なる場合に、社員同士でトラブルになる可能性があります。

近年、アフターファイブのパーティーであっても、セクハラなどで会社の責任が問われることが増えていますので注意が必要です。

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