Vacation Homeを貸し出した?

CDH会計事務所
米国公認会計士
武藤 登 氏

バケーションホームを個人でも使用し、自分が使用していない間に賃貸している場合、ローンの支払金利や不動産税等の費用は個人使用と賃貸使用に按分し、個人使用分は項目別控除、賃貸分は賃貸収入に掛かる経費として分けて申告します。

<個人使用かどうかの判断>

もしバケーションホームを所有していて、個人使用の日数が総賃貸日数の 10% か 、あるいは14 日間の多い方を超えている場合は、個人使用分があるとみなされて、費用の全額を賃貸使用とすることは出来ません。そして、もし賃貸日数が 15 日を超える場合は、ローンの支払金利や不動産税等の費用は個人使用と賃貸使用に按分し、項目別控除と賃貸収入に掛かる経費として分けて申告しなければなりません。

しかし実際の賃貸日数が 15 日より少ない場合は、賃貸による収入を報告する必要はありません。ローンの支払金利や不動産税は、全て項目別控除で申告します。 

<Case Study 1>

Aさんはフロリダにコンドを購入し自宅として使用していましたが、夏の2カ月間は熱いのでカナダで過ごすことにしました。業者に依頼してそのフロリダのコンドを賃貸に出しましたが、実際に貸し出したのは 15 日未満でした。

コンドを本人の住宅として使用し、年間 15 日未満しか賃貸しない場合は、賃貸とみなされず、スケジュール E (フォーム 1040) でその賃貸収入と賃貸費用を報告する必要はありません。

住宅ローン利息、固定資産税、および適格雑損損失など、住宅に関連する全ての費用は、全額項目別控除のスケジュール A (フォーム 1040) で申告することができます。

これらの経費の控除の詳細については、スケジュール A の説明を参照してください。

<Case Study 2>

Bさんはハワイにコンドを購入し、自分がバケーションで使用しない期間は業者に依頼し賃貸に出しました。その年度は個人使用が30日、そして市場価額での貸し出しが80 日ありました。

この場合コンドは個人使用として認められますが、家賃収入は別途収入として申告しなければなりません。そして一年分の費用は個人使用と賃貸使用とに按分する必要があります。

  • 個人使用分:30/(30+80)→ Schedule A:Itemized Deduction

  • 賃貸費用分:80/(30+80)→ Schedule E:Supplemental Income and Loss

但し、100%個人的な使用にかかる費用はレンタル費用として控除できません。

また、コンドを賃貸して純利益があった場合、つまり、賃貸収入が減価償却費を含めた賃貸費用の合計を上回っている場合、すべての賃貸費用を差し引くことができます。

しかし、純損失があった場合はいろいろと制限があり、翌年への繰り越しなどもありますので専門家にお尋ねください。

参考:

Schedule A、Itemized Deduction:https://www.irs.gov/instructions/i1040sca

Schedule E、Supplemental Income and Loss:https://www.irs.gov/instructions/i1040se

以上

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