面接時に聞くべきこと、聞くべきではないこと。

米国では、あらゆる分野での差別を禁止しています。性別、人種、肌の色、宗教、性別、年齢、出身地、性的嗜好、身体障害など多岐に渡っています。

仕事の面接時にも、差別を禁止されている分野の質問は避けましょう。面接官はそのつもりがなくても、面接を受ける人に差別と取られ、後々問題になる可能性があるからです。

では、何を聞いて、何を聞いてはいけないのでしょうか?

基本的には、仕事と関係あることのみを聞く、プライベートなことは聞かないことです。仕事ができるか、できないか、で採用を判断することが大事です。

当然のことですが、応募している仕事の経験がどのくらいあるか、その仕事をするための学位、資格、スキルがあるか、なぜ今のタイミングで仕事に応募しているのか、などを聞きましょう。お給料の希望額も聞きましょう。

仕事と関係があると思えるかもしれませんが、カリフォルニア州やイリノイ州では、現在・過去の給料を聞いてはいけません。これは、男女の賃金格差是正のために始まった措置です。新しい雇用主が候補者の現在・過去の給料を聞くと、それを参考に新しい給料を決めることが多い為です。つまり、そのポジションと候補者のバックグラウンドによって給料を決めるのではなく、過去の給料に多少上乗せしてお給料を決めるケースが多々あり、そのため、いつまでたっても男女の給料の差は縮まることはなかった、という過去の経験から法律ができました。

アメリカで合法的に働けるかどうか聞くことは構いません。ただ、出身国や出身地まで聞いてしまうと、差別になる可能性があります。悪気がなくても、「ご出身はどちらですか?」などという会話は避けましょう。

会社が電車の駅やバス停から遠いところにあるので、事実上車を持っていないと通勤不可能である、と思えても、候補者に「車を持っていますか? 車の運転をしますか?」と聞くことは避けましょう。車を運転して通勤しようが、公共交通機関を使って通勤しようが、それは個人の自由です。車を持っていないことによって採用しないとなると、お金がなくて車を買えない人、身体障害があり、車の運転ができない人の差別になる可能性があります。

単に、長く働いて欲しいという理由であっても、「最低1年は働けますか」と聞くのも慎重になるべきです。妊娠しているかどうか探りを入れている、と候補者に受け取られた場合、妊婦差別である、と受け止められる場合があります。

中には、聞いてもいないのに自分でプライベートなことをペラペラ喋る候補者もいます。この場合には、「That’s Good」などと言って会話を終了しましょう。一緒におしゃべりに付き合っていて、上げ足を取られるのを避けましょう。

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