昼休みは取らなくてはいけないの?

私の会社にはパートタイムや短期のお仕事を探しに来る方もそれなりにいらっしゃいます。そして、晴れてお仕事がみつかり、仕事の条件を受け取った時点で良く出てくる質問・要望は「昼休みなしで働きたい」「昼休みを取らずに、その分早く帰りたい」というようなことです。

州によって違いはありますが、私の住んでいるイリノイ州の法律では、「一日7.5時間以上働く人は、始業から5時間以内に20分以上の昼休みを取らせなくてはいけない」(昼休みは無給)という規定があります。ただ、一日7.5時間働かない方は、法律上では昼休みを取る必要はありません。

時給で働いている場合には、いくら拘束時間内であれ、昼休みは無給です。「仕事に行って、無給の時間を過ごすことが無駄、それならば、その分早く家に帰って家事を済ませたい」という考えも理解できます。また、雇用者側も、忙しい時には休憩なしで働いて、早く仕事を終わらせて欲しい、というご希望もあると思います。

では、昼休みを取ることは無駄なのでしょうか?

毎日昼休みを取ることは、労働者側にも雇用者側にもメリットがあります。

1.生産性があがる。

2.想像力が増加する。

3.コミュニケーションが良くなる。

4.職場での怪我が減る。

5.ストレスが減る。

6.会社に対して帰属意識が向上する。

7.チームワークが良くなる。

などです。

仕事の時間が午前9時から午後3時までのようにお昼にかかるのであれば、例え無給であっても、お昼休みを取りましょう。仕事をするということは、単にお金を稼ぐためではなく、社会の生産活動に参加することでもあります。お昼休みを取って、職場の人と一緒に食事をして、話をすることから、必ず得ることがあるはずです。第一、一日3食を取り、規則正しい生活をすることが健康な生活をする基本なので、お昼に職場にいる場合には昼休みを取ってランチを食べましょう。

勿論、同じく6時間拘束時間があるにしても、午後1時から午後7時まで働く場合には、お昼休みが発生しないことは理解できます。ただ、その場合でも途中で休憩時間を取りましょう。いくら優秀な人でも人間は機械ではありません。ストレスもたまります。休憩を取った方が仕事の効率が上がった、という調査はあらゆるところで報告されています。

(参考文献:”Take Your Lunch Break!” by Ruchika Tulshyan, January 21, 2021, Harvard Business Review and “The Top Benefits of Taking Lunch Breaks at Work” by Haeli Harris, August 23, 2022, Nivati )

いくら毎日お金を30分から1時間分多く稼いだとしても、体を壊してしまっては元も子もありません。心身ともに健康で、有意義にお仕事を続けていただきたいと思います。

記事の無断転載を禁じます。

———————————————

弊社は人材紹介・派遣だけではなく、人事コンサルタントも行っています。ご質問などございましたら、武本粧紀子 (stakemoto@paschgo.com 847-995-1705) までお問い合わせ下さい。

Previous
Previous

思考停止が家庭も会社も国もダメにする

Next
Next

米国税務の基礎、趣味とビジネスとしての収入の違い