大企業 VS 中小企業
パシフィック・アドバイザリー・サービス
代表取締役社長
武本 粧紀子 氏
お仕事を探される方で、「中小企業では働きたくない」という方はそれなりにいらっしゃいます。
本当かどうかは別として、大きい企業の方がお給料が良い、ベネフィットが良い、安定している、というイメージがあります。また、ネームバリューがあるので、知り合いに話すときにカッコいいという理由である方もいらっしゃいます。
実際、FMLA(家族介護休業法)が適用されるのも「75マイル以内に50人以上の従業員のいる会社」のみですし、コロナ禍で適用されたシックリーブも従業員が50人以下の会社は免除されました。(参考文献:“What are FMLA requirements for employers with 50 or more employees who are not all within a 75-miles radius?)中小企業では、自分の会社の裁量で同様のベネフィットを与えることはできますが、法律で規定されている訳ではありません。
ただ、大企業であっても、元を正せばベンチャーの中小企業でした。アップル・コンピューター社もスティーブ・ジョブズ氏が自宅のガレージで始めた会社ですし、マイクロソフト社もビル・ゲイツ氏が大学生の時に友達と一緒に始めた会社です。
元、グーグルで30歳代で重役となったマリッサ・メイヤー(Marissa Mayer)氏はスタンフォード大学で学士号と修士号を取得した後、まだ中小企業であったグーグルに入社しました。彼女の社員番号は20番、グーグルの20番目の社員でした。その後、グーグルが大企業に発展すると同時に、メイヤー氏も実力をつけ、グーグルの重役の後にはYahooの重役となりました。
有名大学を卒業したから、有名企業に就職する必要もありません。もっと言えば、スティーブ・ジョブズ氏やビル・ゲイツ氏のように起業する、という選択もあります。
仕事を選ぶ際には、会社の規模や知名度よりも、自分に合っているかを考えるべきです。自分は将来、どのようなことをやりたいのか。自分の将来にプラスになる環境はどのようなものであるか、も考えるべきです。
将来までの安定を願って、有名企業に就職する、という選択ももちろんあるとは思います。ただ、ベネフィットだって、給料だって、雇用主の業績によって変更になる可能性もあります。有名企業であっても、会社が倒産する可能性もありますし、倒産しないまでも、レイオフで失業する可能性もあります。
結局は、自分がどこにいてもリーダーシップを取って、自分の人生のかじ取りをするしかないのです。自分が10年後にどういうキャリアでいたいのか、どこで、どのように働きたいのか、ということを考えた上で、自分を磨いていきましょう。
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