永住権放棄の年は、個別控除の準備を怠らない!

CDH会計事務所
米国公認会計士
藤本 光 氏

セールスタックスとGoodwil Storeで損金確保

クロスボーダーライフをサポートする

永住権放棄の年は、通常、標準控除(Standard Deduction)が使えません。そのため税務申告時に課税されて、驚かれる方も多いのです。もしあなたが永住権の放棄を予定しているのでしたら、この記事を読んで、個別控除を確保しておいて税務申告時のサプライズをなくしましょう。

永住権放棄の年は、Dual Status(二重身分)の税務申告になります。この形態の申告は、皆様が毎年使われている標準控除が使えません。つまり税務申告書作成時に自分で損金をそろえておいて、そちらを使わざるを得ないのです。つまり個別控除をしないといけないのです。標準控除が使える場合は、何も心配準備をしなくても、その年の標準控除を使用できます。

それでは、どのようにして個別控除を準備できるのでしょうか?

個別控除とは、英名がItemized Deductionと申します。インターネットで調べていただければどんな項目が該当するかはすぐにわかると思います。ぜひ調べてみてください。

私がこの記事では、いくつかある個別控除のなかから、二つ紹介したいと思います。

  • 寄付(Charitable Donation)

寄付は、個別控除を増額するために良い方法です。大げさな寄付でなくても、近所のGoodwill StoreであったりSalvation Armyであったり、自身が必要でなくなったものを持ち込んで寄付ができます。永住権放棄を予定されていて、日本に帰国予定の方は、アメリカの生活を整理しないといけないわけですから、引っ越し準備で、かなりの大量の寄付ができるはずです。ぜひご利用ください。必ずレシートを保管して、自身でいくらくらいの寄付をしたのか、記録しておきましょう。

寄付は、もちろん車など大きなものもできますし、現金での寄付もできます。これらは寄付の種類によって、損金として扱える金額が制限されます。また米国IRSが認めた団体でないといけませんので、こちらもご注意ください。

そのような制限があっても、放棄する年には、寄付はパワフルな損金確保の方法です。ぜひ有効利用してください。

  • 売上税(Sales Tax)

個別控除のなかには、税金(Tax)の項目があります。主に州の所得税や、不動産の固定資産税が主です。総額で一万ドルという制限があります。

この税ですが、所得税の代わりに売上税(Sales Tax)を選択して、控除に充てることができます。売上税は、基本的にすべての買い物で読者の方はお支払いをしていると思います。特に帰国が決まった場合は、アメリカでしか買えないものを、高額でも買う場合があるかもしれません。そんなときに売上税を個別控除として取れることを思い出してください。

大きな買い物以外でも、帰国年には年の最初からすべてのレシートを保管しておいて自身で、スプレッドシートを作り売上税の支払い額をリストしておきましょう。永住権の放棄の前までの支払いをされた売上税は、損金対象になります。

注意していただきたいことは、前述した個別控除項目の税金としての一万ドルの制限と、米国以外の売上税(Sales Tax)は対象外なのは忘れないでください。売上税の損金を選択しないと、通常の州の所得税がDefaultで対象です。売上税を支払っていて、かつ州の所得税を支払っていない人は、必ず上記のレシート保管、リスト作成をお忘れないでください。

CDHでは米国在住の個人の税務申告作成のサービスを行う傍ら、これらの人たちのさまざまな問題点、疑問点を解決、説明すべく日々努力しております。またこれらの人たちが抱える問題は日米の税法をはじめ、移民法、生命保険、リタイアメントのルールなど複雑、多岐にわたります。この記事は複雑な税法や、複雑な規制をできるだけ簡単にポイントだけを理解してもらう目的でお伝えしています。したがって例外もたくさんあります。また、お読みになる時点ではすでにルールが変更されているリスクもあります。最新のルールは、下記よりお問合せください。また実際にアクションを取る場合は、必ず税務・法務などの専門家と相談をしてください。

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