米国商標登録と保護に関して知っておくべきこと:パート ②

Omnus Law
米国・日本知的財産弁護士
    
スティーブン・シェイプ 

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商標登録と保護に関する私の記事のパート1では、米国で保護される商標の種類を概説しました。このパート2では、以下について詳しくご説明します。

  • 各タイプの申請要件

  • 登録の要件

  • 審査後、最終的に登録が許可された際に申請者に見込まれること

登録のための申請要件

1.     申請者に関する情報

  • 法人組織の種類(申請者が個人でない場合)

  • 国籍、あるいは法人が設立された州または国

  • 申請の根拠:実際の使用あるいは使用意図に基づくものか

2.     認証済みの声明

3.     申請書に署名できる個人

  • 申請者を法的に拘束する権限を持つ個人

  • 事実に関する直接的な知識を持ち、申請者を代表して行動する権限を持つ個人

  • 申請者から委任状を受けた弁護士

4.     標章が標準文字の単語商標でない場合の説明

5.     登録する標章の図面(音、香り、または非視覚的な標章でない場合)

6.     標章に含まれる英語以外の単語の英訳

7.     追加の区分に対する未払いの申請料

使用に基づく申請に対する追加要件

1.     申請者は、商品の使用開始日あるいはサービスの開始日(またはその両方)を申請書に記載する必要があります。

  • 商品の場合、商標を付けた商品が初めて販売または輸送された日付が開始日となります。

  • サービスの場合、商標の下で宣伝されたサービスが初めて提供された日付が開始日となります。

2.     各商品およびサービスの区分ごとに次の2つの日付が必要です。

(i) 最初に使用された日付
(ii) 州間通商、または米国と他国との間で初めて使用された日付
(iii) これらの日付は同じであってもかまいません 

3.     申請者は、「使用の実例」を提出する必要があります。これは、商品またはサービスの各区分の少なくとも一つに関連して商業活動で実際に使用されている商標を示したものとなります。

  • 受理される商標の実例には、商品に関連するパッケージ、ラベル、またはタグ、あるいは商品の展示が含まれます。

  • 受理されるサービスマークの実例には、サービスの広告や宣伝資料、申請者のウェブサイトのページが含まれます。

使用意図に基づく申請に対する追加要件

1. 申請者は、申請書に記載されたすべての商品とサービスに対し、商標を商業活動で使用する真摯な意図を持っている必要があります。

  • 商標を使用する真摯な(または誠実な)意図がない場合、申請の有効性、あるいはその結果としての登録に異議が生じる可能性があります。

  • 申請者は、必要に応じて証明できるように、商標の使用計画に関する文書を保管しておくべきです。

2. 申請者は、その商標が米国で使用されていることを示し、商品またはサービスの各区分での使用を示す実例(見本)を提出する必要があります。

  • この書類は、提出時に応じて「使用宣誓書の修正」または「使用宣誓書」と呼ばれます。

  • いずれの書類も以下を含む必要があります。

(i) その商標が申請者またはそのライセンシーによって商業活動で使用されていることの宣誓
(ii) 各区分について、いかなる場所で、また米国州間通商で商標を最初に使用した日付
(iii) 各区分に対応する見本
(iv) 各区分に必要な料金

申請書の提出後

1.     USPTO(米国特許商標庁)は公式な受理証明書を発行します。

  • シリアル番号が割り当てられ、申請に関する詳細が通常14日以内にUSPTOのウェブサイトに表示されます。

  • 申請手続きの進捗状況はこちらのリンクで確認できます。: http://tsdr.uspto.gov/

2. 申請書は提出後3~4カ月で審査されます。

  • USPTOの審査官が実質的な理由で商標登録に異議を唱えたり、技術的な問題を指摘した場合、審査官の懸念事項が詳細に記載された「オフィスアクション(拒絶理由通知書)」がUSPTOから発行されます。

  • 申請者は、「オフィスアクション」の郵送日から6カ月以内に審査官の懸念事項に対応する必要があります。対応がない場合、申請は放棄されたものと見なされます。

3. 審査官の懸念事項が解決されると、申請は「商標公式広報」に掲載するために承認され、掲載日を記載した通知が発行されます。

  • 商標の登録によって被害を受けると考える第三者は、申請に異議を申し立てるか、異議申し立ての期限延長を申請することができます。

  • この申請は掲載日から30日以内に行う必要があります。

4. 申請に対する異議が成功しなかった場合、USPTOは使用に基づく申請に対しては「登録証明書」を、使用意図に基づく申請に対しては「許可通知書」を発行します。

  • 使用意図に基づいた申請の場合、申請者は「許可通知書」の日付から36カ月以内に使用証明を提出しなければなりません。提出がない場合、申請は放棄されます。

  • 36カ月の期間中、6カ月ごとに、「使用宣誓書」の提出期限延長の申請、または申請した商品とサービスに対する継続的で真摯な使用意図を示す「使用宣誓書」を提出する必要があります。USPTOが「使用宣誓書」を受理した後、「登録証明書」が発行されます。

登録が発行されるまでには、実質的な異議や異議申し立てがなく、すべての書類が電子的に提出されている場合、9~12カ月かかります。

「オフィスアクション」が発行された場合、必要な書類(例えば外国登録)がまだ確認できない場合、申請に異議が申し立てられた場合、あるいは申請書が書面で提出された場合には、手続きにさらに長い時間がかかる可能性があります。。

以上

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シェイプは、数十年にわたり米国と日本で、多くの中小企業や有名な日本企業を対象に、知的財産および関連するビジネスニーズをサポートしてきました。

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